琵琶製作実録

琵琶楽器製作の記事

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琵琶製作に関する謝罪と経過ご報告

★琵琶製作などの注文は只今はできません★

★ご注文中の方への経過報告とお詫び★

琵琶制作事業 経過報告(製作遅延に関するお詫びと詳細)

大変申し訳ありません。2年前までは、自分の仕事を持ちながらその合間で、地元区役所の助成事業などを活用して、ミニ琵琶については、動けていた琵琶製作事業ですが、2022年(令和4年)の4月から、私、弦楽ふるさとの会小谷の職業事情が変わり、公私双方の仕事比重が増し、昨年度から受けている製作希望のご注文にお応えできていない状況にあります。別途、メールでお問い合わせ頂いている方にも、ご返事できておらず、団体として大変至らぬ対応となっており、誠に心苦しい限りです。

草津の琵琶工房の木材を譲り受けたご縁から、大きめサイズの琵琶についても、ミニ琵琶の製作を応用して、なんとか安価で練習できるものが作れないかと、妄想だけはふくらんでいたものの、業者へパーツの切り出しを注文する際にもその最低ロット数の問題であったり、大型になっても絶え得る接着設計であったり、ミニ琵琶とは比にならない初期経費をまずは貯めなければならなかったり、そう簡単に動けるものではなかったことを、皆様にご理解いただきたく、いましばらく、まだまだ、お時間がかかってしまいそうと、ただただ、陳謝申し上げる次第です。

かといって、あきらめたわけでは決してなく、現在、楽琵琶を製作できる方がほんとうに少なくなってきているのは事実。「琵琶が弾きたいのに手元に琵琶がない」状況を「なんとか打破しなくてはならない」との思いはさらに強くなっておりますので、必ず、時がくれば(私の仕事が琵琶作りの方に大きくシフトできる時)、何らかの進展、躍進ができると信じています。依頼されている方は、引き続き、気長にお待ちいただければと思います。もしくは、ギター職人さんなど個人的に交渉されれば、意外と安価で作ってもらえるところもあるかもですので、お考え改まり、他に注文し直される場合はご遠慮なく、その旨ごお知らせください。

皆様をお待たせしているのは、ほんとうに心苦しいのですが、私どもは、本来、琵琶を作る職人でも、製作業者でもなく、この形の琵琶を弾きたくて集まったサークルの仲間です。楽器がないので、自分たちでなんとか練習用の琵琶が必要と、ミニ琵琶については、なんとか最低必要量を製作し、練習用として、愛用できております。

それ以上の平家琵琶サイズの製作や、楽琵琶サイズの製作は、予定外ともいえる背負い込みで、今現在、ミニ琵琶の製作も含め、アップアップしている状態です。

きちんと実績ができる まで、新たなご注文は受け付けないことと、させていただきたいと思います。よろしくご了解願います。

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3月23日に安朱・音羽・勧修小、華頂大山科寮、3月28日に山科醍醐こどものひろばさんへミニ琵琶寄贈!

四ノ宮に ゆかりの深い地元の小学校2校に加えて、公募決定による3団体へミニ琵琶 「四音琵琶(しのびわ)」計5台を寄贈しました。

安朱小と音羽小へは3月23日卒業式に合わせて午前中に寄贈し、勧修小へはその日の午後に、華頂大山科寮へはその日の夜にそれぞれ出来上がったミニ琵琶を持って伺いました。山科醍醐こどものひろばさんへは、3月28日に担当者の中澤さんのお宅へ寄贈に伺いました。

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寄贈:安朱小学校  命銘『鳳羽』

この琵琶の腹(表側)の栗材の正目(年輪)は、まるで鳳凰が高く広げた両翼のよう。諸羽山のふもとの安朱小学校にふさわしい、その筋模様になぞらえて「鳳羽」と銘名致しました。

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寄贈:音羽小学校  命銘『祈重』

この琵琶の腹(表側)の栗材には、左に黒影杢、中央に白波杢が出ており、いずれも両手を合わせ一心に願い祈念する姿に見えます。帰依になぞらえて「祈重」と銘名致しました。

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寄贈:勧修小学校  命銘『彩雲波』

この琵琶の腹(表側)の欅(けやき)材は、波状の年輪がとても美しく、その上部には、光沢を放つオーロラ雲のような質感があります。虹色に光輝く錦の雲を彩雲と呼び、その波模様になぞらえて「彩雲波」と銘名致しました。

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寄贈:華頂大山科寮   命銘『斜影』

この琵琶の腹(表側)の栗材左側に大きくうねった波杢が出ており、その形はまるで錫杖を持った地蔵菩薩の立ち姿に見えます。仏教に縁深い大学寮に相応しく「斜影」と銘名致しました。

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寄贈:山科醍醐こどものひろば  命銘『未来迎印』

この琵琶の腹(表側)の栗材中央に、輪状の木目が美しく広がっています。阿弥陀如来が西の空から迎えにくる際の右手印相、来迎印になぞらえて、子どもたちへの寄贈に、よりふさわしくなるよう「未来迎印」と銘名致しました。

今回は琵琶を教室等に立てておくことのできる琵琶台も、転手と柱用に購入した同様の棚から製作し寄贈しました。

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3月9日〜 安朱小学校「地域交流作品展」にて琵琶に使う木材を展示

令和3年3月9日(火)~12日(金)の正午12時まで安朱小学校の体育館にて開催されました。当日の朝に並べるという強行スケジュールでしたが、今年は「琵琶に使う木材」として、縞黒檀や紫檀、柘植、桜など、草津の尾崎氏から譲り受けた貴重な高級木材を展示しました。

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琵琶パーツ各部の呼び名を貼付けた楽琵琶を展示し、その横に、胴(裏板)に使う材、鶴首に使う材、覆手に使う材、天ジンに使う材、転手に使う材に分けて並べました。

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琵琶にはもともと十三種類の木材が、適材適所で使われます。その王道の木材を含め、色々な木質の材料をま近で見れる展示に、子どもたちや来場者は見入っておられました。

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3月7日(日)ミニ琵琶寄贈先「山科醍醐こどものひろば」ワークショップ開催

安朱小学校のシンフォニーフォールをお借りし「山科醍醐こどものひろば」参加者である13名の子どもたちを対象に琵琶弾き語り紙芝居「四ノ宮物語」、琵琶唄「山科千載記」の実演と、琵琶弾き体験を実施しました。「四ノ宮物語」では、琵琶の他に雅楽の楽器である龍笛(西村由紀子)の音にも協力してもらい、「山科千載記」では、ゆかりの場所をパワーポイントの動画で見ながらゆったりと聞いていただきました。

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その後、基本的な弾き方をレクチャーし、大きな楽琵琶1台と一回り小さな平家琵琶と四ノ宮琵琶を各1台、さらに小さなミニ琵琶2台、計5台の楽型琵琶を持参してきていたので、子どもだけでなく大人の方々も、音を鳴らしてみる体験を楽まれました。

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最後に、胴と腹板には思い思いの字を書き込んでもらい、その後はスタッフの方々と、ゆかりの地である諸羽神社や四ノ宮への散策に行かれました。

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2月16日(火)6時限目、安朱小学校での訪問授業は製作・加工体験

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1回目のワークショップの際、亀岡の槌田木工所から出来上がってきたパーツの中から寄贈製作分を子供のたちに選んでもらい、記念になるよう、その胴(裏面)と腹板(表面)のパーツの各内面には、今回参加した子どもたち一人ひとりに好きな文字を書いてもらうよう伝えていました。製作後は見れませんので、記念に掲載しておきます。

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2月16 日(火)の6時限目に実施した2回目の訪問授業「四ノ宮琵琶の製作・加工体験」は、6年生35名を対象に、工作室をお借りして、それらのパーツを加工する工程を体験してもらいました。6つの班にわかれ、転じん の下穴を開ける固定式電動ドリルでのサイコロづくりや、リーマでの転じんの穴開け作業、旋盤による転手の作成と3つの工程全てを順番に全員に体験してもら いました。

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2月16日(火)3・4時限目、琵琶寄贈先「音羽小学校」にて訪問授業

昨年12月に実施した華頂大山科寮、安朱小学校、勧修小学校での実演に引き続き、ようやく音羽小学校での訪問授業「いろいろな琵琶の音を聞いて弾く」が叶うこととなりました。

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音羽小学校にも広めの交流室があり、5年生が35名ずつ3時限目と4時限目の2回に分けて、同じ内容の授業を実施しました。四ノ宮と琵琶の関係や、楽琵琶、平家琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶にいたる日本に伝わってから独自に進化した琵琶の種類について、実物の音色を聞いていただきながら、紹介しました。

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締めくくりには、子どもたち全員に、順番にいろんな琵琶を試し弾きしてもらいました。

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2月7日(日)「華頂大学山科寮」にて2回目のワークショップと工房訪問・製作体験(2/9,12,19)

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令和3年2月7日、華頂大学山科寮のロビーにて、興味を持っていただいた学生さんを対象に開催しました。ワークショップでは楽型小琵琶の弾き方の基本レクチャーに加え、製作体験として、リーマーという道具を使って天じんに転手を差し込む穴開け作業をしてもらいました。

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体験した学生さんは、琵琶演奏や琵琶製作作りに大変興味を持たれ、その2日後の2月9日(火)には旋盤による転手づくり、12日(金)には、覆手と柱の整形作業、19日(日)には、撥(ばち)の形を一からデザインし電動工具で製作されました。

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こちらが、学生さんのデザインによって製作した撥です。かっこいいフォルムで、機能的にもとてもよくできているので今後のミニ琵琶の撥のフォルムとして採用させていただくことになりました。

 

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1月26日(火)琵琶寄贈先「勧修小学校」にて5年生に訪問授業

昨年12月に実施した華頂大山科寮、安朱小学校での実演に引き続き、勧修小学校においても、教頭先生のご尽力もあって、5年生を対象とした訪問授業「いろいろな琵琶の音を聞いて弾 く」を 実施することができました。体育館を広く使って、子どもたちは間隔をあけて座ってもらい、実演者は正面の舞台にあがって、パワーポイントも使って実演しました。

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まずは簡単な四ノ宮と琵琶の関係をお話しして、楽琵琶から、平家琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶へと、日本に伝わってから独自に進化した琵琶の種類につい て、実物の音色を聞いていただきながら、紹介しました。最後に班ごと少しの時間ずつでしたが、子どもたち全員に、いろんな琵琶を試し弾きしてもらいました。

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12月21日(月)ミニ琵琶寄贈先「安朱小学校」にて5,6年生に訪問授業

先日の華頂大山科寮様に引き続き、年度末ミニ琵琶寄贈予定の安朱小学校においても、5,6年生を対象とした訪問授業「いろいろな琵琶の音を聞いて弾く」を 実施しました。私、小谷昌代の母校でもあり、北校舎も当時の面影をとどめていますが、今年令和2年に2階の改修工事があり、これまであったふれあいサロン と音楽室が、壁を取り払って広くなった「シンフォニールーム」に生まれ変わりました。この日は、木材をふんだんに使った音楽鑑賞にもってこい♪の、その真新しい空間での実演となりました。

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まずは簡単な四ノ宮と琵琶の関係をお話しして、のちは、楽琵琶、平家琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶へと、日本に伝わってから独自に進化した琵琶の種類について、実物の音色を聞いていただきながら、紹介しました。最後の時間で、班に別れた子どもたち全員に、順番にいろんな琵琶を試し弾きしてもらいました。

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12月16日(火)ミニ琵琶寄贈先「華頂大学山科寮」にてワークショップを開催

コロナ禍ではありますが、年度末寄贈へ向けての対象団体でのワークショップを開催しました。華頂大学は東山ですが、その学生寮は山科区内にあり、天智天皇陵の東、疏水が流れる山麓にあります。私も今回の寄贈の応募を受けて山科にあることを知りました。少人数制をとりつつ寮のロビーにて、パワーポイントを使って四ノ宮を紹介、続いて琵琶弾き語り紙芝居「四ノ宮物語」と、琵琶唄「山科千載記」の実演を行い、興味のある方には、琵琶も手にとって自由に弾いていただきました。

学生さん主宰のクリスマス会の合間をぬって開催いただき、皆さんのご協力に感謝申し上げます。

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