令和5年10月15日 四ノ宮散策と琵琶紙芝居(西京退職互助組合様)

互もろは前

西京の先生を退職された方々の互助組合さんの皆さんのご一行35名が、10月の諸羽神社の大祭と同じ日に四ノ宮に来られました。

昨年コロナも落着いたころに、一度、依頼をいただいていましたが、結局また感染者数が増えたため中止となっていました。その後、春になって再度ご依頼いただき、秋の晴天の日和にも恵まれ、決行できました。

9時半に山科駅に集合して、会主宰の方から簡単なご挨拶をいただき、私の方から四ノ宮の説明とJRが現在の高速道路から大正9年にこの北側へ路線を移したこともお伝えして、高架下から駅北側の住宅街へと皆で出発しました。

互もろは1スクリーンショット(2023-11-04 19.15.47)

諸羽神社は本日秋の大祭真っ最中で、本殿へ参拝しようとすると、ちょうど宮司様の祝詞の真っ最中でしたので、解説は後回しにして、参加者の皆さん大祭らしい厳粛な雰囲気も味わいながら静かにご参拝くださいました。簡単な解説後、神社を出ようとする際には、拝殿前に子ども御輿が到着して、拝殿前に置かれ、格式の高い割拝殿を子どもたちが並んで抜け、本殿にて担ぐ前の参拝をされるところでした。

互みこしもろは

互とくりん1

その後、徳林庵では、本堂の中のお地蔵さまの裾に描かれた琵琶の話や、牛馬用の飲み水の井戸と屋根瓦に刻まれた丸通のマークのこと、人用の茶釜、蝉丸供養塔、裏手のかわいい手彫りの六地蔵などを紹介しました。こちらでも祭の行列と遭遇しました。参加者の方々は大変喜んでおられました。十禅寺へと向かいました。

互とくりん3

互みこしとくりん1

互みこしとくりん2

十禅寺では、小山ご住職がご説明くださり、3回に分けて本堂の中もご案内くださいました。普段は開いていない貴重な機会でしたので、聖徳太子作といわれる人康親王の念持仏、聖観音木立像や、小さな厨子に入った人康親王木座像などを、皆さん興味津々に見入っておられました。十禅寺のすぐ裏にある人康親王宮内庁墓をご案内すると、皆さん木々の茂った周回路をぐるっとまわってこられ、奥に隠れて見えにくい供養塔も拝見できたと、喜んでおられました。

互じゅうぜんじ

最後に本日散策のゴールである泉水町広場(四ノ宮大明神)へは、自力でたどりついてもらおうと、地図を見てをめぐってもらう予定でしたが、実はここが難所。話しながら行かれると、やっぱり通り越してしまわれて、気づかなかった路地の細さにびっくり。ここそこで、笑いも起こって楽しい散策となりました。

互大明神

泉水町広場には四ノ宮泉水町の云われとなった「足摺水」や「琵琶琴元祖四ノ宮大明神の祠」「役行者さんの石座像」「地蔵菩薩、大日如来、不動明王」と推測される石仏などが並びます。急な石段を昇らないといけないのですが、この日の30数名の皆さんは大変、健脚の方ばかりで、水場まで降りたり、ソファー型の石に座ったり思い思いに過ごしていただきました。その際、もともと不動産会社が持っておられた住宅に含まれていたこの土地を、小谷が一度受け取り、その後、三井寺(園城寺)へ飛び地境内として寄進させていただいたこと、そのきっかけである倒れかけていたこちらの祠を修繕したこと、などをご紹介しました。(詳しくは四ノ宮社修復実録ご参照

互十禅寺公演

散策後は、先ほどの十禅寺へ戻り、広間にて琵琶弾き語り紙芝居公演「四ノ宮物語」と琵琶唄「山科千載記」をご披露しました。右側には明正天皇の遺構「短冊石」が残る萩の花咲くお庭を眺めつつ、奥の床の間には寺宝である古い平家琵琶が飾られています。そんな由緒ある十禅寺で何度か琵琶を弾く機会は頂戴していましたが、きちんと紙芝居や千載記をフルで実演させていただいたのは今回が初めて。大変に思い出に残る1日となりました。

追伸、三間が連なったお部屋の一番奥の南側欄間には、聖護院門跡の門主と園城寺の長吏を兼任されたという十禅寺三代前?のご住職お写真が掲げられていて、今回の演奏を始終一番前でご観覧いただいていたことに、至極、敬意と感謝の気持ちを添え演奏を捧げました。   2023年 11月 4日 小谷四音 拝

互もろは山